新しいアルバムが完成しました。
『Navoya Koma ~精霊と躍る太鼓』
僕の太鼓の師匠であり、ケニアの父であるMwatela Masai(マテラ・マサイ)氏との共作です。
マテラ氏との出会いは2004年、初めてケニアに足を踏み入れた頃。
村の広場で彼の太鼓の演奏を聞いた時、青空に抜けるような高音と柔らかい中低音が大地に心地よく響き、サスティーンがコントロールされた独特な節で歌うような太鼓の音色に聞き惚れていると、彼の背後に巨大な龍のような、得体の知れない何かが、バッタバッタとのたうちまわるように躍る姿が見えたのでした。
これは一体何なんだ????
この????の秘密を少しでも知りたいと思い、その場でマテラ氏に弟子入りを申し込み、そのまま8年ケニアで暮らしました。
その????の秘密はいまだに謎のままなんですが、一つだけ言えるとすれば、彼の太鼓は精霊たちや先祖霊たちとコミュニケーションをとる事ができるということ。
精霊たちを喜ばせ、慰め、語り合い、歌い踊る。
そう、まさに精霊と躍る太鼓なんですね。
このアルバムには、そんなマテラ氏の唄う太鼓が存分に盛り込まれています。
2012年に日本をマテラ氏とツアーをした時に、ツアー終盤の僕らの息の合った演奏を録音をしたいという願いに、沖縄に住むミュージシャン、ディンカドゥンクのTahara Masaha氏が答えてくれ、やんばるの森の中にある彼の自宅に楽器を運び入れ、まる2日かけてンゴマのアンサンブルをレコーディングしてくれました。
その音源をケニアに持ち帰り、村のママたちや若者たちの協力のもとに歌やコーラスを重ねて出来上がったトラックが、このアルバムの主な収録曲です。
残念なことに、Masahaさんは2019年に闘病の末、天に帰られました。
Masahaさんがいなければこのアルバムはあり得ませんでした。Masahaさん、本当にありがとうございます。
2004年、マテラ氏の村で暮らし始めてまもない頃、ザイナブという名の8歳の女の子が急性マラリヤで亡くなりました。毎日のように一緒に遊んでいた子供たちの一人がいなくなってしまった事に、僕はものすごく動揺し、うまく現実を受け入れられず困惑しました。
でも村人たちは違いました。ザイナブの死をあっさりと受け入れてるように見えました。
その背景を考えた時、僕はハッとしました。つまり、ザイナブのような幼い子供が命を落とすようなことが、
今までにも何度も何度もこの村では起こっていることなんだという事です。
マラリヤは適切な処置をすれば助かる病気ですが、(僕も3回ほど罹りました。)金銭的な問題から手遅れとなってしまうケースが、村では多いのです。
そんな現実に対して何かできないだろうかと考え、JIWE(ジウェ)というレーベルを立ち上げました。
彼らの素晴らしい伝統や文化を作品化し、その収益を彼らの元に還元する事で、ザイナブのような小さな子供が命を落とす事のないよう、少しでも手助けできないだろうかと考えたのです。
そんな思いで始まったレーベル、JIWEですが、これまで8枚の作品を発表し、こつこつ還元も行ってきました。
今回のアルバム『Navoya Koma ~精霊と躍る太鼓』は、JIWEのCD9作目となります。
コロナ騒動の煽りを受け、ただでさえ厳しい村の暮らしがさらに大変な状況になっています。
この作品が、手に取ってくれた人たちにインスピレーションをもたらし、そして生まれた収益を還元する事で、マテラ氏とその家族のサポートに繋がるような、そんな幸せな循環が生まれることを願っています。
NAVOYA KOMA - 精霊と踊る太鼓 ¥2500
Mwatela Masai & Masaya Onishi
1. Dundani - 祈り
2. Navoya koma - 精霊と踊る太鼓
3. Mgao - ウォーダンス
4. Mushago - ライオンの太鼓
5. Sese - 道を踏み外さないように
6. Dondola - 旅立つ理由
7. Rawa - ラワよ、教えてください
8. Chakacha - お米が炊けた
9. Eggi Mwanangu - 可愛い息子
購入希望の方は、お名前、住所、希望枚数を、下記のアドレスまでお知らせください。
jiwe.music@gmail.com
折り返し、振込先などご連絡させて戴きます。
オオニシマサヤ
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